チリの方と結婚されて、チリに5年間お住まいのbosqueさんにチリについて聞いてみました。
bosqueさんについて
- チリのどの地域にお住まいですか?
- チリの第7のマウレ州、クリコ市に住んできます。
- チリに住んでいる理由、住みだしたきっかけは?
- 20代の頃、ボランティアとしてチリで働く機会がありました。その期間に今のチリ人の夫と知り合い結婚し、住み始めました。
- チリにはどのくらいの期間住んでいますか?
- ボランティア期間も含めれば5年間チリに住んでいることになります。
- チリにはどんな家族構成でお住まいですか?
- チリ人の夫、娘、私の3人で暮らしています。
- チリで使われている言葉はどれくらいしゃべれますか?
- 日常会話程度なら不自由なく話せます。
チリについて
- チリには移住しやすいでしょうか?ビザは取りやすいですか?
- チリ人配偶者がいたり、現地で仕事が見つけることができれば、チリの長期滞在ビザは問題なく取ることができます。
- チリの人はどのような言語を話しますか?
- スペイン語が共通言語となっています。チリの南部地方ではマプチェ語も話されているようです。
また、辞書には載っていないチリ人独自の言い回しやマプチェの言葉が起源になった言い回しも多く見られます。 - チリには日本人はどれくらいいますか?
- 大使館の統計では日本人が約1400人いるとされています。私が住んでいる町には、日本人は見かけませんが、首都近くのバルディビアという町には日本人のコミュニティもあります。
- チリの物価について教えてください
- 南米の中でも物価が高い国とされています。物価は大体日本で購入するのと同じくらいです。車やメーカー品などは、日本より高い値段で販売されている事もあります。
- チリの人やチリという地域は一般的にどんな印象だと言われていますか?
- 南米は陽気な人が多いと言われます。しかし、その南米の国々にしてみれば、チリ人は冷たいそうです。確かに、チリ人は他の南米の国の人のように、誰かれ構わず、人なつっこく話しかけることはそうありません。
一方で、各種手続きを行う上で、なかなか進行しない時があるなど、そこは南米ならではだなと感じます。 - チリと日本と大きく違うところはありますか?また、似ているところはありますか?
- 家族のつながりの強さです。日本では子どもに対し、「いい大学に入ってほしい」という過剰な期待がありますが、チリでは学歴社会ながらも、一般市民では子どもを大学に入れるのすら難しいため、そういった期待を子どもに抱くことはあまりないようです。
またチリにはハグをする習慣があることから、チリ人は日常的に家族の愛情を直に感じることができます。そのためなのか、チリには日本で起こるような、心の孤立からくるような殺伐とした事件、児童虐待のニュースはあまり見られません。
また、チリは日本のように豊かではないので、日本人のようにある一つの物を全員が持つのは難しい状況です。そのため、日常的に物の貸し借りや共有がされていています。スペイン語で共有するを意味する「compartir」という言葉は、チリで非常によく使われる単語の一つです。物を人と共有する中で、人とのつながりが強くなっている気がします。
また、結婚しない人が多いことも特徴的です。
チリでは、恋人同士で子どもがいても入籍しないカップルが多くいます。理由は、結婚という言葉のしがらみを嫌う人や、将来ずっと好きでいるか分からないからという人、法的に片親の方が政府の補助が手厚くなるからなど様々です。チリは夫婦別姓で、子どもも両方の親の名字を受け継ぐので、事務的には問題がないようです。結婚という概念に対して強い思いがないためなのか、他に好きな人ができれば子どもがいても簡単に別れてしまう例が多くあります。パートナー同士が別れても、イベント時は一緒に過ごすなど、共同で子どもを育てることが多いです。
- チリと日本を比較してみて、お互いの国の良いところ、悪いところをあげてください
- 日本の素晴らしさは、第一はサービス精神です。チリでは、接客時ガムをかんでいたり、仕事中に私用の電話に出たり、仕事中のおしゃべりは当たり前に行われています。
また、サービスに関連する部署と部署の連携のようなものが見られません。そのため、何か間違いが起こると、チリでは「自分のした事ではない」としてそういった謙虚な態度はみられません。問題のたらい回しが続き、解決や謝罪のないまま堂々めぐりしてしまう事がよくあります。日本でのサービス当たり前になると、時々チリのサービスの悪さに本当にイライラする事があります。
- チリに住む前に参考にしたオススメの書籍や情報源等を教えてください
- ボランティアとして初めてチリへ行った時には、地球の歩き方出版の旅行ガイドを購入しました。
今読み返してみると、チリの概要をつかむのには適しているけど、やはり情報の不足や情報自体も古いと感じます。あとは、女優の山口智子さんが執筆したチリの旅行記「手紙の行方」を読みました。
- チリにもってきたほうがいい日本のものがあれば教えてください
- 大抵のものを現地にてそろえることができます。しょう油やのり、カップ麺も地方のスーパーでも、割高ですが売られています。日本食も、首都の中国人や韓国人経営のお店で購入することができます。
強いて言えば、日本独自のものでしょうか。私の場合は耳かきです。チリでは日本のような耳かきは販売されていません。
日本の書籍や辞書は、現地では手に入りにくいので、必要ならば持って行った方が良いと思います。
- チリに住むことはどんな人にオススメできますか?また、オススメできないですか?
- チリは日本よりゆったりと時間が流れており、人々も優しいです。しかし、日本のようにはきっちりしていない面があり、日本の様式に慣れていると時々いらいらしてしまう事があります。
チリで一定の収入を得られるならば、日本と同じ水準の生活を送ることができます。しかし、それはチリ人にとってはアッパークラスの生活様式で、一般のチリ人の生活レベルは日本のそれより低いです。チリで暮らして行くには、日本で当たり前であった価値観を捨てざるを得ない時があります。
また、日本とチリは距離が大きく、飛行機代もかかります。両国を簡単に行き来することは難しくなるので、日本にいる家族に何か起きた時や日本での各種手続き用の帰国費用として、まとまった預金が必要になると思います。強いホームシックにかかりやすい人はチリへの移住は難しいかもしれません。
以上!
チリに5年間在住のbosqueさんへのインタビューでした。
追加でのインタビューも検討しています。
もし、チリについて聞いてみたいことがあれば、コメント欄に書き込んでいただくか、お問い合わせからメッセージをください。
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