この記事はアイルランドのダブリンに語学留学中のManettaさんに聞いてみたに届いた質問の回答になりますが、質問者以外の方の役にも立つように汎用的な内容に編集しました。
質問に答えていただいたのはアイルランド・ダブリンに15年以上もお住まいのティファニーのアラフォー的?アイルランド生活の管理人:ティファニー・カイリーさん(@inutomchan0105)です。
この記事の内容はこれからアイルランドへの移住を考えられている方、特に就労をしようと思っている方に役立つと思います。
移住しやすい = ビザが取りやすいではない
アイルランドへは「移住しやすい」という言葉で簡単にビザが取得できる思われたかもしれませんが、それはワーキングホリデービザ利用者や学生として入国する場合です。アイルランドで働くとなると話は別です。
日本人の場合、3か月以内であれば観光ビザで滞在できますが、それ以上の期間滞在する場合、EU圏外の人(Non-EEA, Non European Economic Area)は何らかの許可書(Stamp 1, Stamp 2などと分類されています)が必ず必要になります。
参考サイト(英語):http://www.inis.gov.ie/en/INIS/Pages/Stamps
アイルランドで働いて家族を養う場合は、労働許可書(Work Permit)Stamp 1が必要になります。アイルランドの労働許可書は9種類あります。
参考サイト(英語):https://www.djei.ie/en/What-We-Do/Jobs-Workplace-and-Skills/Employment-Permits/Permit-Types/
もし、現在勤め先の会社の支社がアイルランドにあり、その支社への移動が可能であれば、Intra-Company Transfer Employment Permitになります。しかし、仕事の種類により、最低年収条件(年間30,000ユーロまたは40,000ユーロ)が設けられており、それをクリアーしないと許可は下りません。
または新しい職場で仕事をするのであればGeneral Employment PermitまたはCritical Skills Employment Permitが必要になります。
特殊な技術がある場合は、後者の方に当てはまると思われます。
しかし労働許可書が下りる職種が国により決められており、それに当てはまらないと許可書は下りません。その上、最低年収条件が設けられており、職種によっては30,000ユーロまたは60,000ユーロ以上の年収が必要になります。
参考サイト(英語):https://www.djei.ie/en/What-We-Do/Jobs-Workplace-and-Skills/Employment-Permits/Employment-Permit-Eligibility/Highly-Skilled-Eligible-Occupations-List/
General Employment Permitも例外はありますが、基本30,000ユーロの年収が必要で、国の指定する職種に当てはまる必要があります。その上、会社側がアイルランド人またはEU圏の人で適任がいなかったという証明が必要になります。(会社側が求人広告を出す)
参考サイト(英語):https://www.djei.ie/en/What-We-Do/Jobs-Workplace-and-Skills/Employment-Permits/Employment-Permit-Eligibility/Ineligible-Categories-of-Employment/
しかし国が指定する特殊な技術を持っていて、会社側が条件以上の給料を払うことに同意すれば労働許可書は下りる可能性はあるでしょう。ちなみに許可書は会社側または自分で申請できます。
近年、アイルランドに職を求めて来る外国人が増加し、国としては国が指定する職種以外の職に就く人を基本求めてはいないため、労働許可書のクリア基準が高く設定されています。
しかしアイルランドは現在ITに力を入れていることと、看護師や医師不足もあり2014年は労働許可書発行率が2013年に比べて42%増加しました。(2015年の数字は現まだ発表されておりません)しかし、General Employment Permitの場合は現在でも労働許可しが下りにくい状況であると言われています。
参考サイト(英語):http://www.inis.gov.ie/en/INIS/Pages/WP07000022
参考サイト(英語):http://www.citizensinformation.ie/en/moving_country/moving_to_ireland/coming_to_live_in_ireland/permission_to_land_in_ireland.html
Critical Skills Employment Permitを取得した場合は家族をすぐに呼び寄せることができますが、General Employment Permitを取得された場合は1年後になります。家族を呼び寄せる場合も別の手続きが必要になります。
参考サイト(英語):http://www.citizensinformation.ie/en/moving_country/moving_to_ireland/rights_of_residence_in_ireland/residence_rights_of_family_members.html
クリアすべき問題は仕事だけではない
住居の問題もクリアする必要があります。ダブリンは現在家不足なため、家の値段や家賃が高騰しています。ダブリン郊外はダブリン市内より値が下がります。家を購入できるのはStamp 4取得者からです。家の値段、家賃はダブリンでも地域により差があります。こちらのサイトで一度検索してみることをお勧めします。ダブリン以外の地域も検索できます。
参考サイト(英語):http://www.daft.ie/
学校の問題もクリアする必要があります。
好きな学校に入学できるというものではなく、住んでいる住所によって通える学校が決まります。
しかし定員がありますので、必ず入学できるとは限りません。学区外の学校に入学させる場合は学区外リストに載せられ順番待ちになります。入れたい学校に合わせて家を購入したり、借りることはこちらでは普通のことです。
通常18歳でLeaving Cert(Leaving Certificate Examination)と言う国で実施される一斉テストを受け、そのポイントで行ける大学が決まります。何らかの免除が受けられる可能性はありますが、学校に問合せる必要があります。
日本人の学生さんがこちらの有名なユニバーシティーやカレッジで勉強していることも多いのですが、高額の授業料がかかる場合が多いので、そちらも問い合わせると良いと思います。
物価も高騰しています。郊外はダブリンより物価が少し安くなります。こちらのリンクは目安です。
参考サイト(英語):https://www.expatistan.com/cost-of-living/dublin
ティファニー的まとめです。
ここまで読んで
「アイルランドへの移住は厳しいかも。。。」
と思われたかもしれません。ただ、これが現実かと思います。
また、アイルランドの日本人コミュニティーはまだまだ小さく、ロンドンやパリのように英語が喋れない人に手を差し伸べ、職や住居を斡旋する団体は私の知る限りありません。
英語でコミュニケーションが取れないと大変不便です。職種によりプロフェッショナルレベルの英語を求めるところもありますが、中学生程度の英語でも結構です。相手の言うことが理解でき、返答できる力とコミュニケーションスキルが必要です。
語学、文化、ビザなど移住への壁はありますが、その壁を乗り越えるだけの価値がアイルランドにはあると思います。
ちなみに、コークやゴールウェーはダブリンより小さい街で観光地としても有名です。
ダブリンより物価も安くお勧めです。コークやゴールウェー以外にもたくさん素敵な街があります。街小さくなると人も親切で気さくな点も魅力です。
移住を希望される方は、ぜひ、アイルランド移住の目標を叶えてくださいね!
陰ながら応援しております!
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