ダブリンに約17年間お住まいのティファニー・カイリーさんに移住状況について聞いてみました。
ティファニー・カイリーさんについて

ダブリンについて
- アイルランド・ダブリンには移住しやすいでしょうか?ビザは取りやすいですか?
- ワーホリや学生ビザで入国するのは簡単ですが、こちらで働くとなると労働許可書(Work Permit)が必要です。(詳しくはこちらで解説しています。→アイルランドへの移住条件)
- アイルランド・ダブリンの物価について教えてください
- 高いです。特にダブリンは地方よりずいぶん高いです。2015年にはヨーロッパの都市の中で9番目、世界では21番目に物価が高い都市にダブリンの名前が挙がっていました。例えばサンドイッチは約3ユーロユーロから5ユーロ50セントほど。
テンプルバーの一部のパブではパイントのラガーで7ユーロ80セントほどします。学生さんは学生証があればランチや洋服を少し安く購入することができますので使わない手はありません。家賃は年々高騰しています。ダブリンのシティーセンターでは1ベッドルームのアパートは一か月約1300ユーロほど。街の中心から少し離れると約1000ユーロほどします。ダブリンは現在住宅不足ですので、住むところを探すのに一苦労したという話をよく耳にします。家賃が高いので、こちらでは部屋をシェアーしたり、アパートや家をシェアーするのはよくあることです。
- アイルランド・ダブリンの人はどのような言語を話しますか?
- 英語を話します。アイルランド西部(ゴールウェーやドニゴール、アラン・アイランドやケリー)では現在もアイルランド語(ゲール語)も話されています。
- アイルランド・ダブリンには日本人はどれくらいいますか?
- 外務省のサイトでは2014年時点で在留邦人数は1767人と出ていましたが、この数字は登録している人の数字なので、実際はもう少し多いと思います。
- アイルランド・ダブリンの人やアイルランド・ダブリンという地域は一般的にどんな印象だと言われていますか?
- 自然が多く、人は親切でフレンドリーでおしゃべり好き。パブがたくさんありお酒好きで音楽好きという印象でしょうか。ギネス発祥の国というのもありますね。ウィスキーを思い浮かべる人も多いでしょう。文才がある国民というイメージもあります。文学好きならジェームス・ジョイスやオスカー・ワイルドやウィリアム・バトラー・イェーツなどを思い浮かべる人が多いと思います。アイリッシュダンスやアイリッシュミュージックは人気があります。私のアイルランドの印象はU2でしたけれどね!笑
また、イモばかり食べているという印象もあります。同性愛者の結婚が法的に認められた国というのもありますね。イギリスに長い間支配されていた国という印象もあるでしょう。中には今だにイギリスの一部だと思っている人もいるようですし。(それは北アイルランド!)
- アイルランド・ダブリンに住んでみてその印象は正しいものでしたか?
- イモばかり食べているという印象は正しかったです。基本フレンドリーではあるので、その点も正しかったです。しかし私が来た1999年当時は外国人がまだまだ少なく、これは私に対する差別だなと思う行動や言動が目につき、自分が外人であるということを思い知らされました。今でもたまにありますが、最近は外国人率が高いし、観光客も増えたのでかなり減りましたね。U2を誇りに思ってるという印象が個人的にはあったんですが、意外とU2に無頓着だったのにも少々がっかりでしたね。ボノ嫌いの人が意外と多いんですよ。とは言え、コンサートは見に行くという。。。ちょっと矛盾してますよね。
- アイルランド・ダブリンと日本と大きく違うところはありますか?また、似ているところはありますか?
- 違うところはやはり天気ですね。雨が多いし、じとじとしてる。暴風雨はしょっちゅうで洗濯物が外に干せないためなかなか乾かない!傘はすぐ壊れる。日本はちゃんと四季があっていいです。時間にルーズな人が多いのもこちらの特徴ですね。
アイルランドは昔貧しかったというのがあるのか、チャリティーは日本よりかなり盛んです。似ているところはアイルランド人は関西人っぽいところがあります。冗談好きですしおしゃべり好きです。バスに乗ったら横に座ったアイルランド人が話しかけてくることは珍しくありません。新しいもの好きなところも似ていると思います。お店ではちゃんと並んで自分の番が来るのを待つところも似てますね。ただバスや電車に乗るときは並んでいるようで並んでいませんが。
- アイルランド・ダブリンと日本を比較してみて、お互いの国の良いところ、悪いところをあげてください
- 日本人は時間を守りますが、アイルランド人はルーズな人が多いので、最初はイライラさせられますが、そのうち慣れてしまい、自分もルーズになってしまいます。
日本は道路がとてもきれいに舗装されていますが、アイルランドではガタガタなところがよくあります。それに日本は道路のサインがきちんと掲示されていますが、アイルランドではわかりにくかったり、サインの矢印が間違った方向を向いてることも多いです。
日本では人からどう思われているかをものすごく気にする傾向がありますよね。服装や持ち物を気にしたり。しかも出る杭は打たれる。しかしこちらでは好き勝手に好きなものを着ていても誰も気にしないし、出る杭は悪い杭でない限り出たままです。型にはまらない、自由気ままなところが良いです。
それに日本人はすぐに年齢を気にしますよね。特に日本人の男性は日本人女性の年齢を気にする。こちらではあまりその傾向があまりなく、年齢はただの数だと言ってくれます。特にアジア人は実際の年齢より若く見られるので自分がいつも若い気持ちでいられるところがとても良いです。私のような40過ぎの独身にとっては天国です。
ダブリンの悪いところはゴミを路上にポイ捨てするところです。ゴミ箱が設置してあるにも関わらず!ちなみにごみをポイ捨てする人はアイルランド人だけでなく外国人もです。アイルランドは病院事情も良くありません。なんだかんだ言われてますが、日本は素晴らしいです!
- アイルランド・ダブリンに住む前に参考にしたオススメの書籍や情報源等を教えてください
-
地球の歩き方-アイルランド。
当時通っていた英会話学校からも情報を得ましたし、どなたかが書いたアイルランドの旅の本も何冊か読みました。
- アイルランド・ダブリンにもってきたほうがいい日本のものがあれば教えてください。
-
綿棒。(軸がプラスチック製しかなく、弱い)
ヒートテク系のシャツ。(寒い日が多いので)
強風に強い折りたたみの傘。(こちらでも買えますが、強風に耐えられずすぐ壊れてしまう)
気に入った日本食があるのなら日本から持って来てください。こちらでは手に入らないか、あるいは高いです。
- アイルランド・ダブリンに住むことはどんな人にオススメできますか?また、オススメできないですか?
- アイルランドは自由気ままな国。型にはまらなくてもいいのです。きっちりした性格や、間違ったことが大嫌いで許せないような性格の人には向いていません。お酒が苦手な人にも辛い国でしょう。雨が多く、曇りの日も多いので、引きこもりなどを患っている方が来ると、病状が悪化しますので向いていません。
他力本願の人には向いていません。英語が全く話せない人は苦労します。こちらに来る前に自分なりにでも結構ですので必ず勉強してきてください。人見知りする人にも向いていません。アイルランド人はあまり喋らず、質問をYes /Noでしか返さないような人を嫌います。社交的でおしゃべりな人の方が向いています。
アイルランド人はフレンドリーですが実は友達になるにはかなりの時間を要します。国が小さいので、小さい時から仲がいい友達同士のしっかりした絆が出来ており、その中に外国人が割り込むのが難しいためです。そのため長年こちらに住んでいる日本人でもアイルランド人の友達が少なかったり、いなかったりします。しかし諦めず何度も根気よく彼らのドアを叩いてください。そのうちドアを開けてくれて、友達としてしっかり受け止めてくれます。一度受け止めてくれれば、困ったときにはすぐ手を差し伸べてくれる素敵な友達になります。
アイルランドに限らず、海外に住むということは旅行で訪れるのとは全く違います。実際に生活するということはそれだけの覚悟が必要です。海外に住むのが恰好いいからとか、自分探しのために来たなど漠然とした理由では、壁にぶつかった時にぶつかったまま這い上がれなくなるかもしれません。英語を上達するでも、友達をたくさん作るでも、アイルランド人の旦那様・奥様を見つけるでもよいです。何か一つ目標をもって来てください。そうすればたとえ辛いことが起こってへこんでも前に進めると思います。
アイルランドは一度浸かったらなかなか出られない「ぬるま湯」です。一度出てもまた浸かりたくなる。出戻り組もたくさんいます。慣れるととても居心地がいいのがアイルランド。あなたもハマってしまうかもしれませんよ♪
以上!
ダブリンに約17年間お住まいのティファニー・カイリーさんへのインタビューでした。
追加でのインタビューも検討しています。
もし、アイルランドやダブリンについて聞いてみたいことがあれば、コメント欄に書き込んでいただくか、お問い合わせからメッセージをください。
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